ブログネタ
「M&Mの部屋♪」 に参加中!







時が経っても、鬼気迫るもの
美しくも、闇の重さと、濃淡深いドロドロ感・・・

いつまでも子供のようにわくわくする、、そんな大好きな作品!
詳細はウィキにあるから、ここでは個人的視点で、、(笑)

ワタシ的に、ツボな箇所が幾つもある その中の一つが
よく聞こえない音声にあって・・・(笑)どのシーンもそうなのだが、特に
主人公宅(館)に伝令する使者ら(土屋さんの3役らしい)の
台詞言い回しが、急いでいるからかペラペラと速く、どんなに音声を上げても
一体何て喋っているのか?てんで聴き取れない、、まるでテープの早回しの
ようで字幕でもないと、話す台詞が分からない、、〇×▼#???...(++)

何度も見ていたら、それがだんだん可笑しくて、日本語音声なのに
字幕が必要だ、と思ったのは、きっとこれが初めてじゃないか、と、、(笑)

何せ、人とは違う箇所にミョーにHITするせいか
ペラペラ早回しの分からなさに笑い、台詞とはこうだ!とばかりに
太くハッキリした声が魅力なお殿様、三船さんの声に反応しては
繰り返す観賞、、わはは!そういうちょっと変なスタイルなのだ

そして、監督作品に必ずある有名な場面が、大粒の雨
それに鎧武者姿で馬を走らせる、、騎乗だけでも凄いのに
三船さんの乗馬シーンは、どれもダイナミックで素晴しい!


img_2




「蜘蛛巣城」の魅力は、モノクロ映像が出す恐ろしさにある
人間の愚かさ、醜さ、欲望にまみれ、殺し合い、繰り返す、、
戦没した亡霊が、お前らもそうなるのだ、、と腹中で笑う

まるで憑かれたかのように、意のままに操る奥方(山田五十鈴さん)の
表情が見事!能面を参考にした静けさ、、これが美しくて、一層怖い


20130910184950
throneblood




裏切りに躊躇し心乱れる殿方に、隙あらば攻め入られる敵への恐怖と
世継ぎ話を持ち出し、目を覚まさせるかの如く、事を成す、、
登り詰めた先に待っていた現実は、こんなはずじゃ、、の転落
自身も狂気していく変貌は、決してメイクだけの効果じゃない
五十鈴さんの迫真演技は、美が成す恐怖そのものだ☆

一方、三船殿方は、森の「もののけ」おババがうひょひょ!と高笑う、、
その予言通りを摩訶不思議に思いつつ、能面奥方(笑)の胸中にまんまと嵌り
主君を切り、腹心を切り、自分を城主に、と推してくれた友をも暗殺、、
戻る事の出来ない道を、強欲のままに突き進む

幻想と現実を狭間し我を失った城主は、もはや裏切り者でしかない
そして、予言通りに森が攻め、味方の矢が天誅を放つ


125635793117216213948_kumonosujou012



ラストの絶命シーンなんて、他にありえない位の鬼気迫るもの、、

弓矢の名人なはずが、実は弟子(学生)だったというから、これまた怖い
間近で放つシーンに、マジで殺気を感じたのは当然だ
だから、演技じゃなく、本当にそのまんま、、の名シーンなのだ!
「バズーカでぶっ飛ばしてやる!」と、酔っ払った三船さんがブチキレて
黒澤監督に暴言したのは、今でも有名な話、、(バズーカ持ってたのか?)
わはは!うんうん、、どちらも「人並み外れ」らしくていい!


tumblr_nt1httMe5l1uz75quo1_500




そのラストの壮絶さに拍手なのだが、ワタシ的ツボがもう一つ・・・☆

矢の嵐を浴び、とどめが刺さり(首を貫通)、もはや悔いても遅し、と
悲哀を滲ませ、絶命する、、それまでの時間だ

硬い鎧を突き破り、ドスドス刺さる矢 腕にも胸にも背中にも、、
これでもか、とばかりに空を切って飛んでくる 
しかし、すぐには死なない、、そこなのだ!

たとえ10本でも、少しは持ちこたえられる
しかし、急所なら1本で即死、、というシーンのお手本のようだ
近距離なのか、遠いのか、、これもあるから、三船さんがよろめきながら
階段を降り、地面で終えるまで、を見事に魅せてくれる


7d95ed28




そして、モノクロ時代劇の最大の恐怖に、夜がある
蝋燭一本の明かりとは、まさにそこだけの照明であり
その昔の夜とは、闇にも近い暗がり、、そういう当たり前の設定が
今の時代劇ではありえないホドの明るさで、おいおい、LEDかい?
と言いたくなるような見え方、、(笑) まあ、これはTV番組だったり
言わば、この際細かなツッコミは置いといて、、の解釈であるから
それはそれでいいのだが、、ははは!(^皿^)

城跡が浮かぶ霧に始まり、森が押し寄せる霧で終わる
薄い空気の色と、殺し合い血を流す、染み付いた黒血色の濃さ
モノクロの中に見る、いくつもの濃淡に、見事な映像美を感じる☆

そういうリアルさと、作り出す半端のないスケール
これが世界の黒澤なのであり、妥協を認めない強さだ
しかしながら、納得し創り上げるまでの歳月や膨大な費用など、、
あれこれに衝突するリスクを考えたら、尚更、偉大なる監督と
それらに携わった、多くの理解者方々が成した偉業と思えて仕方がない

今の新時代が出すデジタル背景の物足らなさに、つい逆行するかの如く、、
真似の出来ない、不朽の映像美に浸ってしまうのだ


img_0




うひょひょひょ!
何度も嵌る、、白と黒の対比に拍手~