前回に続き、2作目はヒッチコック監督のスパイサスペンス
P・ニューマンと美しいJ・アンドリュース共演の「Torn Curtain」
邦題が、引き裂かれたカーテンだが、鉄のカーテンとも読むように
東西冷戦下のドイツが舞台
予告だけで、さぞや血だらけ、、のサスペンスと思えるが
実際はその逆で、いたって心理的なハラハラが多い作品!
展開の詳細は省くとして、表向きの肩書きとは別の顔で
目的達成のために、亡命計画へ動くP・ニューマンと
一見、成すすべもなく弱い立場の女J・アンドリュースの名演
何も知らずに、付いて来た男の旅先・・・
ただ、フィアンセの男のそばに居たい、、
学者という権威ある男のため、何かの役に立ちたい、、
その一心から、男の行動を追ううちに、隠された真実を知る
そして、ワタシが感じた「女の強みと男の弱み」としたように
婚約者のJ・アンドリュースが、決め手になる上手さを出している
ゴージャスでも色っぽくもない、極めて普通の匂いの女
端整な顔立ちに、不安を精一杯に見せ立ちすくむ姿が印象的
隠し通すハズの計画が想定外になり、イチかバチかとなる男の目線
真相を受け入れ、足手まといを後悔しつつ戻れない女の目線
そのどちらの感情も、カメラワークで伝わってくる
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男の中で、決して情に負けず、曲げてはならないルール
女の中にある無意識の武器、、これが交錯しては、いつもドラマを生む
観る側にとっては、肩の持ち方もそれぞれあるだろう
女のせいで、全てを棒に振る男の弱さに、「しっかりせいっ!」とも映り
その浅はかさが、男と女の世界なんだ、、と共感したりもする(笑)
どの映画でも、孤独に生きる強い男こそ、どこかでつまずく原因に
必ず女が居る・・・乱す存在は、女が多いのだ
さてさて、、本来の作品の話からずれてしまったが
ヒッチコック監督と言えば、カメオ出演で有名!それも、控えめながら
ゼッタイに分かる位置に、あのポッチャリ顔でお出ましになる(笑)
また、他の作品も楽しんでみたくなった
最後まで、スリリングな展開!ヒッチコック劇場の醍醐味だ
1966年、、古さも感じないこういった名作に、何度でも引き込まれる
私もヒッチコック作品
心から愛していまーす♡
学生の頃、彼の映画を分析するクラスがありました
もう楽しくて楽しくて
いまも時折、一人静かに観たくなります。
「裏窓」とか「めまい」・・・。
そこに漂う雰囲気のすべてが好きで
ヒッチさんの作品の中に
ある一貫した、ヒッチさんの好みの
女性像がいつも表れるのがすごく楽しみで
ブロンドで、スーツが似合うひと。
言葉遣いと物腰がきれいな人。
そして相手役の男性は、
ヒッチさんが自分のなりたい男性像を
投影しているような感じ・・。
それで、本人がカメオ出演すると
ありゃ、主人公の男性とはだいぶ違った
体型。。(笑)そこがいいんです
ニューマンと、ジュリー・アンドリュースの
組み合わせ、それまでのペアとは
ちょっと違う雰囲気で、ちょっと驚いたけれど
こちらもまた良かったですよね
地面に書かれた「Π(パイ)」の
文字を思い出します
それから「東ベルリン」という響き
時代感がたっぷり
今の映画よりもある意味ずっと
価値があると思うのは、すべてがアナログの中、
音楽ひとつにしても、バイオリンの音ひとつで
あんなにドキッとさせる効果をだしていたこと
絶妙に計算された配置とカメラワーク
CGなんかない時代のすばらしさ
そして、オーソドックスな服の良さ、
美しい身のこなしと、言葉遣いのうつくしさ
私はこれからもずっと
ヒッチ作品を愛します!!^^