冷徹な頑固一徹顔、、その裏にある掴めない曖昧さ・・・
名優クリス・クーパーを表現するのに
相応しいのは、多分これだろう
これまで沢山の作品で、その強烈な個性をインパクトした彼は
トレードとも言える、無愛想な「ヘの字口」の顔を持つ(  ̄へ ̄)
一見、頑固に徹するプロフェッショナルであり、また同時に
どこか掴めない、怪しい顔が覗く
このおっさん、、何かあるぞ・・・と思わせるのだ(笑)
う~ん、、まさにワタシの好きなゾクゾクの曲者
そのベスト10の上位に入る!
その作品の中でも、特に‘‘異質の幅’’を感じさせるのが
「アメリカン・ビューティ」と「アメリカを売った男」
どちらも、冷徹キレ者の表向きと、裏腹に潜む異常者的な顔
この表現の幅こそ、クリス・クーパーだと思う
アメリカン・ビューティは、これぞ曲者トップの位置にいる「ケビちゃま」こと
ケヴィン・スペイシーが主演し、アカデミー賞を総なめにした話題作!
その主演を食うほどに、印象を打ち付けたクリス・クーパーが
ケヴィン・スペイシーに絡む、わずか数分の名場面がある・・・→☆
この場面だけを見れば、ただの変態おっさん同士だ、、(笑)
しかしワタシは、このシーンで演じたクリス・クーパーの絶妙さ、、
劇中で、頑なに徹した顔が崩れ去り、壊れ細工となる
自分でもどうなっていくのか分からない、という弱弱しい感情で涙する、、
その見事なまでの演じ分けに、拍手大喝采したいのだ!
これは、最初からの流れを知らずして語れないシーンである
元軍人で、家庭でもその規律を乱せない冷徹さ、しかし
その内面には、同性愛に対する感情の片鱗を隠し持つ、、
それを肯定できない、自分へのジレンマが災いしてか
異常なまでの、差別感情に陥る
このアメリカン・ビューティという作品に盛り込まれたものは
アメリカの美を皮肉に描きつつ、滑稽で、悲惨で、美しい
実に実に、深いのだ
演じた全ての俳優ら、それぞれが個性を極めた作品であり
クリス・クーパーの、曲者印象を代表する一つでもある
ひびさえも入らない、硬派の顔
それを揺るがすような、意外な顔を見せる
そこがまた、ゾクゾクのゾッコンなのだ